「令和7年度 糸状菌遺伝子研究会技術賞」を受賞しました
当社の研究員が「令和7年度 糸状菌遺伝子研究会技術賞」を受賞しました。
受賞タイトル「麹菌がもたらす2つの健康機能性ペプチド」 受賞者 上原絵理子ら 上原絵理子らは、大麦発酵液(大麦焼酎粕)に含まれるペプチド「pEPYP」に抗ロコモティブシンドローム(ロコモ)効果があることを見出しました1, 2)(特許第6795670号)。
また、同液に含まれるペプチド「pEP」に血清尿酸値低減効果がある可能性が示唆されました3)。
両ペプチドは糸状菌(麹菌)酵素によって生成されることが推測されるため、本技術は糸状菌の新たな価値創出と利活用に貢献する可能性があります。また、収率が高い発酵生産法、酵素処理法を確立させることができれば、事業展開が期待できます。さらに、本技術を応用し、他原料焼酎粕から健康機能性を見出し、関与成分を発見する可能性を示すことができました。近年、ロコモと高尿酸血症はいずれも予備軍が数千万人存在し、年間医療費は数千億円、ロコモが原因の一つである要介護期間は8-12年間との報告があります。加えて、焼酎粕年間発生量は九州のみで70万tとなっています。
本技術による事業展開が実現すれば、予備軍数の減少や医療費の抑制、健康寿命の延伸、さらにはSDGsへの寄与も期待され、社会課題の解決に向けた一助となる可能性があります。 1)上原絵理子,外薗英樹, ピログルタミルペプチドのIL-10産生促進およびMMP-13産生抑制効果, 日本食品科学工学会誌, 67巻, 10号, 368-375頁, 2020年 2)上原絵理子, 外薗英樹, 稲場守, ピログルタミルテトラペプチド(pEPYP)含有食品の膝関節の自覚症状に及ぼす効果-ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験-, 薬理と治療, 48巻, 7号, 1207-1215頁, 2020年 3)Eriko UEHARA and Hideki HOKAZONO, Pyroglutamylproline purified from fermented barley extract increases ABCG2 expression in Caco-2 cells. Food Science and Technology Research, 29 (4), 309–318, 2023 --------------------------------------------------------------------------------------------------------
私たちは、麹と発酵の技術から、新たな価値を創造し、よりよい社会づくりに貢献します。 本ページでは、発酵大麦エキスに関する最新の情報を随時発信していきます。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------